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価値が一定の仮想通貨「ステーブルコイン」

仮想通貨といえば、価格変動が激しいのが大きな特徴ですよね。しかし今、Tether(テザー)や MUFGコインなどの「ステーブルコイン(stablecoin)」と呼ばれる、価値が一定の仮想通貨が注目されています。
2018/05/18 UPDATE
 
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ステーブルコインとは?

ステーブルコインとは

価値が一定を保つよう設計された仮想通貨

のことです。ステーブルコインとは仮想通貨の名称ではなく、あくまでジャンルの名称。つまり、ビットコインやイーサリアムのような仮想通貨の名称ではなく、アルトコインや草コインといった【仮想通貨の新しいジャンルを表す名称】です。仮想通貨といえば価格変動が激しいのが大きな特徴ですが、ステーブルコインは常に価値が一定の為、市場が荒れた際は資産をステーブルコインに移動して価格変動リスクを軽減できたり、価格の安定が重要となるスマートコントラクト機能を安定的に運用することができるなど様々なメリットがあります。

3種類のステーブルコイン

ステーブルコインは現在、大きく分けて3種類あります。

①法定通貨に連動したコイン
Tether (テザー)や三菱UFJが発行するのを予定しているMUFGコインがこれに当たります。
このタイプのコインは、仮想通貨の価格変動をほぼ影響を受けません。しかし、中央集権体制にどうしてもなってしまい、発行元を100%信頼する必要があります。
分散化を促進できないこともあり、将来的に長期で価値を保ち続けることができるか懸念されています。
②1つ以上の仮想通貨に連動したコイン
1つ以上の仮想通貨の価格に連動したコインも存在します。このような方法をバスケットといいます。複数に分散されているため、一般の仮想通貨に比べて価格変動の影響を受けにくい利点はありますが、大きな価格変動があったときには相場全体が動くため、どうしても影響を受ける可能性が懸念されます。例えばMulti-Collateral Daiというコインがあります。ただし、こちらは現在はイーサリアムだけに連動していて、今後数ヶ月のアップデートで追加の通貨との連動にも対応する予定です。
③スマートコントラクトで発行されたコイン
他のステーブルコインとは概念が違いスマートコントラクトで発行されたコインタイプになります。つまり、そもそも一般的な開発方法と違います。また、イーサリアムなどスマートコントラクト機能を実装した仮想通貨から、派生した仮想通貨を購入するという流れになります。現在発行されている仮想通貨では、TrueUSDが有名です。TrueUSDも、イーサリアムのスマートコントラクトから発行された仮想通貨という特徴があります。つまり、スマートコントラクトから供給量をコントロールするよう設定されているので、通常の仮想通貨と比較して価格が一定になりやすいといえます。

ステーブルコインに該当する仮想通貨

ステーブルコインといえばTether(テザー)が一番有名ですが、テザー以外にもトゥルー・ユーエスデイー(TrueUSD/TUSD)やMUFGコインなど様々なステーブルコインが存在します。

①Tether(テザー)
1USDTは1ドルとペッグされています。
発行量分のドルを保有しているという信頼の元、価格安定通貨として機能しています。
ただ、この信頼が本当かどうかが分からないのが最大のリスクです。

②MakerDAO(メイカーダオ)
イーサリアムを担保としており、発行している通貨単位は「DAI」です。1DAI=1USDを目指しているステーブルコインです。DAIトークンをもらう為には、CDPスマートコントラクトにイーサリアムをデポジットする必要があります。※CDPとは「Collateralized Debt Position Smart Contracts」の事です。メーカーダオの問題点はイーサリアムの価格が上昇している時は良いですが、下落し始めた時に担保としての機能を果たさなくなってしまう可能性がある事です。イーサリアムが暴落した時に自動的に清算される仕組みがあったり、DAIの発行制限があるなど価格が安定する機能を備えています。

③ヘイブン(Havven/HAV)
デュアルトークンシステムを採用しています。仮想通貨(イーサリアム)を担保として発行するHavvensトークンとHavvensを利用して発行するNominsトークンの2種類があり、Havvensの保有量に対してNominsが付与される仕組みです。Nominsが米ドルにペッグしたトークンで利用する時に発生する手数料が、Havvensを所有している人に分配される仕組みです。ボラティリティがあり投機対象として魅力的なHavvensとNominsのどちらかの需要が高まれば、両方とも価値が高まっていく仕組みになっています。

④ベースコイン(Basecoin)
プライベートセールで130億円近い金額を集めたICO案件で、価格安定通貨という事は分かりますが詳細は不明です。ホワイトペーパーへのアクセスも現在出来ない状況です。Googleの技術者だった人が参画しているプロジェクトです。

⑤Boreal
詳しい内容は分かりませんが分散型取引所のIDEXと関係している通貨です。

⑥ZEN
日本円に対して価格が安定した仮想通貨です。ペッグする方法は発行元のBCCCが大量に1円で買い注文を入れておけば、自然と価格は1円と収斂していくと言ったシンプルな内容です。

⑦MUFGコイン
三菱UFJフィナンシャルグループが発行体になって提供するコインです。1コイン約1円と価格が固定されている仮想通貨通貨です。因みに、1円と固定してしまうと、日本の法律だと今ある電子マネーと同じ扱いになり、仮想通貨という扱いではなくなります。また、電子マネーなどは「通貨建資産」として扱われ、資金決済法では100万円以上の「通貨建資産」を銀行を介さず送金してはいけないルールになっています。1コインを約1円に固定する方法はまだ公にされていませんが、発行元が価格をコントロールし流通量を調整する仕組みではないかと思います。

⑧NuBits(ニュビッツ)=NBT
1NBT=1USDにペッグされています。価格を固定する為に2種類の通貨が存在し、通貨としての価値があるNBTとNuネットワークの株式として働くNuShares(NSR)があります。NSRの配当はPeercoinによって支払われます。価格を固定する為の方法は利用者の売買で担保されており、価格が上昇しそうになった際は発行量を増加させ、価格が下落しそうなときはParkingと呼ばれる方法で供給量を抑制する仕組みになっています。

⑨TrueUSD=(TUSD)
3月にBittrexに上場しました。発行元はTrust Tokenでアメリカのスタンフォード大学スタンフォード大学出身のエンジニアやGoogle元社員などが2017年設立した企業です。TrueUSDはドルペッグされた通貨でレートが1:1と固定されています。この際にスマートコントラクトを活用しており自動的にレートを調整するようになっています。また、複数の信託銀行にお金を預ける事で同等数のTUSDを受け取る事ができます。Tetherと比べるとかなり信頼性が高いステーブルコインと言えます。Tetherが倒れたら逃げ先として一気に需要が伸びる可能性がある通貨です。

⑩COMSA
言わずもがなコムサです。
また、似たようなサービスでDigix DAO(デジックスダオ・DGD)があります。

ステーブルコインを購入できる取引所

ステーブルコインは現在、

残念ながら国内の取引所では取り扱いがありません。

香港の仮想通貨取引所「バイナンス」やアメリカに本拠を構える世界第2位の取引所「ビットトレックス」など海外の取引所でのみ、取り扱っています。

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