2025年11月20日、ビットコインは前日の米株式市場の大幅な下落を受けて急落し、他のリスク資産とともに売り圧力にさらされた。この急落により、暗号資産市場全体が深刻な打撃を受けている。
2025年11月20日、ビットコインは前日の米株式市場の大幅な下落を受けて急落し、他のリスク資産とともに売り圧力にさらされた。この急落により、暗号資産市場全体が深刻な打撃を受けている。
10月初旬に約630兆円を記録していた暗号資産市場の時価総額は、わずか1カ月余りで150兆円以上も減少し、450兆円を下回る水準まで落ち込んだ。この劇的な縮小は、投資家心理の急速な悪化を物語っている。
この弱気相場の引き金となったのは、10月10日に発生した予想外の大規模清算イベントだ。ビットコイン史上最大となるこの清算では、投資家がレバレッジポジションを約2兆8500億円も売却せざるを得なくなった。一部の推計では実際の清算額は4兆5000億円に達した可能性も指摘されている。
11月20日時点でビットコインは約1296万円で取引されており、10月6日に記録した史上最高値約1890万円から31%も下落した。年初来では5%以上のマイナスとなり、2025年は赤字でスタートしている状況だ。
暗号資産運用会社21シェアーズのレポートによれば、裕福なビットコイン投資家が売却を進めており、ETFからも資金が流出している。長期投資家は11月だけで約4万2000BTC(約6000億円相当)を売却し、スポットビットコインETFからは3週連続で資金流出が続いた。20日だけでも約1299億円の償還があり、これは過去2番目の規模となった。
専門家は、テクニカル要因とマクロ経済の圧力が組み合わさっていると分析する。強制清算と市場流動性の低さにより価格変動が激しくなっており、さらにFRBによる利下げ確率の低下に関する発言が、リスク資産全般の強気相場に冷や水を浴びせている。
ハイブリッド暗号通貨取引所レイルズのサトラジ・バンブラCEOは、10月の暴落による影響がまだ完全に収束していないと指摘する。「おそらく局地的な底値に近づいているが、市場は依然として脆弱だ。ポジションのリセットに伴う反射的な反発はあるかもしれないが、買い手が果断に参入しなければ、さらなる下落に向かう可能性が高い」と警告している。
最も堅固なビットコイン強気派でさえ試練に直面しており、新たな材料が登場するまで市場の冷え込みが続くのではないかとの懸念が広がっている。投資家にとっては、慎重な判断が求められる局面が続きそうだ。